建設業許可の工事経歴書の書き方

「工事経歴書」は、建設業許可の申請のときだけでなく、毎事業年度の終了時の届出でも提出が必要な書類です。
この書類は誰でも閲覧することができますので、工事の規模や工法や技術などが分かるように記入することで、自社の強みをアピールする広告の役割にもなる書類です。

事業年度終了後に帳簿を引っ張り出して、慌てて作成しているようでは、アピールどころではありません。

工事経歴書の記入のルールを知り、日頃から準備をすすめておくことで、慌てずしっかりとした工事経歴書を作成することができます。

工事経歴書の記入方法は2通り

工事経歴書の記入方法は”2通り”ありますが、公共工事を受注するかしないかによってルールが変わります。

公共工事を受注する場合は、建設業者の経営規模等を評価するために「経営事項審査」を受けなければなりません。経営規模等の評価が目的ですので、事業者によって評価方法が異なっては困りますので、工事経歴書を一定のルールに基づいて作成する必要があります。
逆に、経営事項審査を受けない場合は、記入方法はそこまで厳しくはなっていません。

経営事項審査を申請しない場合

まずは、経営事項審査を申請しない場合です。
次のルールに基づいて工事経歴書を作成します。

1.業種ごとの全ての完成工事高の5割を超えるところまで、請負代金の額の大きい順に記入します。
2.1に続けて、主な未成工事について請負代金の額の大きい順に記入します。未成工事については、「未成工事」と見出しをつけて記入します。

1については、完成工事の5割を超えるところまで記入すれば良いのですが、500万円(建築一式は1500万円)未満の軽微な工事の場合は、10件まで記入したら終了します。

実際に「栃木県の手引」を元に確認していきましょう。

経営事項審査を申請する場合

前提として、経営事項審査を申請する場合は、「税抜」で記入します。
また、経営事項審査を申請しない場合よりも記入方法が細かいですので注意が必要です。

1.元請工事に係る完成工事について、その請負代金の額の合計額の7割を超えることろまで、請負代金の額の大きい順に記入します。<記入例1>
※500万円(建築一式は1500万円)未満の軽微な工事が10件に達した場合は、その時点で7割を超えていなくても記入は終了します。<記入例2>
2.1に続けて1で記載した以外の元請工事及び下請工事に係る完成工事について、業種ごとの全ての完成工事高の7割を超えるところまで、請負代金の額の大きい順に記入します。
※500万円(建築一式は1500万円)未満の軽微な工事については、1で記入した軽微な工事の件数と合わせて10件まで記入します。
3.2に続けて、主な未成工事について記入します。その際、「未成工事」と見出しを付けます。

図の「1~12」の記入上の注意点については次のとおりです。
※経営事項審査を申請するしないに関係ありません。

記入上の注意点
  1. 許可を受けようとする(受けている)建設工事の種類ごとに記入します。用紙が2枚以上に及ぶ場合は、2枚目以降に続けて記入します。(事業年度終了時の決算変更届の場合、届出時点で許可を取得している全業種分を実績のあるなしにかかわらず作成します)
  2. 税込・税抜の該当する方に丸を付けます。
  3. 「注文者」及び「工事名」の記入に際しては、その内容により個人の氏名が特定されることのないようにします。 例えば、注文者「A」、工事名「A邸新築工事」等と記入します。
  4. 元請とは建設工事の最初の注文者(発注者)から請け負ったもの、下請とは他の建設業者等から請け負ったもののことをいいます。
  5. 共同企業体(JV)として行った工事には「JV」と記入します。
    ※ その際の請負代金の額は、共同企業体全体の請負代金の額に出資の割合を乗じた額又は分担した工事額を記載してください。
  6.  契約書等から工事の内容がわかるよう具体的に記入します。
  7. 工事場所の都道府県及び市区町村名を記入します。
  8. 建設業法第 26 条の規定に基づき各工事現場に配置した配置技術者について、該当する箇所にレ印を記入します。
    ※ 一般建設業者の場合は、すべて「主任技術者」にレ印を記入してください。
  9.  請負代金の額を千円単位で記入(千円未満は切り捨て)します。変更契約があった場合は、変更後の金額を記入します。
    ※ 工事進行基準を採用している場合には、当該工事進行基準が適用される完成工事について、その完成工事高をカッコ書きで付記します。
  10. 「うち( )」の欄には、下記の業種について該当する金額を記入します。
    ・土木一式については「プレストレスト・コンクリート(PC)」
    ・とび・土工については「法面処理」
    ・鋼構造物については「鋼橋上部」
  11. ページごとに記入した完成工事の件数及び請負代金の額の合計、及び元請工事の請負代金の合計額を記入します。
  12. 業種ごとの完成工事の件数の合計及び請負代金の額の合計を記入します。 ※複数のページがある場合は、最終ページに記入します。

工事経歴書のための日頃の準備

ここまでの解説を見ていただければわかるように、工事経歴書を作るためには最低限次の情報が必要になります。

工事経歴書に必要な情報
  • 工事の業種
  • 元請 or 下請
  • 工事の注文者
  • 工事の内容
  • 工事の現場の所在地
  • 担当した主任技術者(監理技術者)
  • 請負代金の額
  • 工期

これらの情報をシステムから簡単に抽出してソートできるようならば良いのですが、そうでなければ、元帳などから拾い出すことになります。工事の件数が多い事業者様ですとかなり大変な作業になります。
決算変更届の提出ギリギリになって慌てることのないように、日頃からエクセル等で管理しておくと効率よく抽出できるようになります。
また、経営事項審査を申請する場合は、記入した工事の裏付けとなる契約書等も必要になりますので合わせて準備しておくことをオススメします。

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