【徹底解説】栃木県の建築士事務所登録

建築士事務所の登録は、次のような業務を他人から求められて報酬をもらって行う場合に必要になります。

  • 建築物の設計
  • 建築物の工事監理
  • 建築工事契約に関する事務
  • 建築工事の指導監督
  • 建築物に関する調査または鑑定
  • 建築に関する法令または条例の規定に基づく手続の代理

建築士事務所の登録は申請すればできるものではなく、いくつかの要件を満たさなければなりません。

ここからは、その要件について確認していきましょう。

建築士事務所の登録の要件

  • 事務所があること
  • 登録拒否要件に該当しないこと
  • 専任の管理建築士を配置すること
  • 定款の事業目的が正しく記載されていること

事務所があること

事務所には、営業のための電話やプリンターなどの機器があり、後述する「管理建築士」と呼ばれる建築士を専任で配置する必要があります。

また、事務所の名称にもルールがあり、「建築士事務所」「建築士」「設計」など、建築士の資格で設計等の業務を行うことが誰にでもわかるようにしなければなりません。

登録拒否要件に該当しないこと

次の要件に該当してしまうと、せっかく申請書を作成して添付書類を集めたとしても登録を拒否されてしまいます。登録を検討している方は、次の要件に該当していないかを必ず確認しましょう。

登録申請者が次の事項に該当しないことが必要です。

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
成年被後見人又は被保佐人
禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
建築士法に違反して、又は建築物の建築に関し罪を犯して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
虚偽又は不正の事実に基づいて免許を受けたことが判明し免許を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
建築士法若しくは建築物の建築に関する他の法律又はこれらに基づく命令若しくは条例の規定に違反したことにより免許を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
建築士事務所について登録を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者(法人である場合においては、原因となった事実があった日より一年以内にその法人の役員であった者でその取消しの日から起算して五年を経過しないもの)
建築士事務所の閉鎖の命令を受け、その閉鎖の期間が経過しない者(法人である場合においては、原因となった日より一年以内にその法人の役員あった者でその期間が経過しないもの)
暴力団の構成員である者、暴力団の構成員でなくなった日から5年を経過しない者。
10 暴力団員等がその事業活動を支配する者
11 建築士事務所を管理する専任の管理建築士を欠く者

※法人の場合は、役員が「1~9」に該当する場合も登録拒否要件になりますので注意してください。

専任の管理建築士を配置すること

管理建築士という言葉が出てきましたが、どういった建築士のことかご存知でしょうか? 登録の要件ですのでしっかりと抑えておきましょう。

管理建築士は、仕事の技術的な事項を総括し、事務所の業務が円滑に行われるよう担当する建築士への仕事量を考慮して割り振るなどの管理を行う建築士のことです。

管理を行う人ですから、常にその事務所に勤務をすることが求められますので、事務所に専任することが求められます。 この管理建築士には、次の要件をクリアした建築士だけがなることができます

建築士事務所に所属する建築士として3年以上、設計等の業務に従事した後、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う管理建築士講習の課程を修了した者。

(※5時間の講習を受講し、1時間の修了考査を受けたうえで、7割以上の正解で合格になります。)

なお「3年以上」というのは、建築士として登録してから3年以上業務に従事した経験ですから、補助者として建築士事務所で働いていただけでは認められませんのでご注意ください。

定款の事業目的が正しく記載されていること

法人の場合は、定款の事業目的に次のような内容が記載されている必要があります。

もし、記載されていない場合は、次回の株主総会時に必ず明記しなければなりません。

不安な場合は、申請先である建築士事務所協会に確認するようにしてください。

  1. 建築物の設計及び工事監理
  2. 建築工事契約に関する事務に関する業務
  3. 建築工事の指導監督に関する業務
  4. 建築物に関する調査又は鑑定に関する業務
  5. 建築物の建築に関する法令又は条例の規定に基づき手続きの代理に関する業務

以上が、建築士事務所の登録のために必要な要件になります。

もし、これらの要件を満たす人がいないからといって、登録せずに建築士事務所の営業をした場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることもあります。

例えば、建設業の許可を持った事業者様が、建築士事務所の登録をしないで設計等を行ってしまい、懲役や罰金刑が科されてしまうと、建設業の許可の欠格要件に該当してしまいますので、建設業の許可が取り消されてしまうことにもなります。

そうなってしまうと、会社の存続にも関わります。取り返しがつかなくなる前に、登録が必要なら、必ず建築士事務所の登録をするようにしてください。

建築士事務所の登録の申請先

栃木県では、建築士事務所の新規登録申請をする場合は、一般社団法人栃木県建築士事務所協会の窓口に持参して登録申請を行う必要があります。

※申請方法と受付時間は変更になることがありますので、詳細は、栃木県建築士事務所協会のホームページかお電話でお問い合わせください。

名称 所在地 電話番号
一般社団法人 栃木県建築士事務所協会 宇都宮市昭和二丁目5番26号 028-621-3954
申請受付時間:8:30-12:00/13:00-17:30

建築士事務所の新規登録の申請に必要となる書類

 

申請書

 

法人

個人

1

①建築士事務所の

登録申請書

第一面:建築士事務所登録申請書

第二面:所属建築士名簿

第三面:役員名簿

×

②略歴書(登録申請者)

印は個人印を押印。最終学歴から現在までの全ての期間について記入。※空白期間がないこと。無職・自営等含む。

③略歴書(管理建築士)

②と同じ。

※登録申請者が管理建築士を兼務する場合は不要。

④誓約書

法人:法人名、代表者氏名を代表者が署名する。

個人:申請者が署名する。

①定款の写し

※事業目的に建築物の設計・工事監理等の業務を行うことが記載されていること。

×

②履歴事項

全部証明書の原本

※申請日前3カ月以内のもの。副本は写しで可。

×

①管理建築士の

建築士免許証の写し

免許証の写しを添付すること。

②管理建築士講習

修了証の写し

登録講習機関が行う「管理建築士講習」の修了証の写しを添付すること。

③管理建築士の専任性が

確認できる書類

(例)健康保険被保険者証の写し、雇用保険被保険者証の写し、前勤務先の退職証明書、辞令の写し、出向証明書、契約書の写し

所在地を証明する書類

建築士事務所所在地と登録申請者住所(法人所在地)が異なる場合は、そこで事業を行えることがわかる書類を添付。(例)賃貸借契約書の写し、不動産(建物)登記事項証明書

固定資産税納税証明書、電気・電話等の公共料金領収書

申請手数料

一級建築士事務所 16,000円
二級・木造建築士事務所 11,000円

※ 新規の申請手数料の支払いは、現金のみとなっています。
  弊所のサポート料は別途発生いたします。

建築士事務所の登録手続きの流れ

建築士事務所の登録と法人成り

建築士事務所を個人事業者として登録した後に法人化する場合、個人としての登録は法人には引き継ぐことはできませんので、個人事業の方は建築士事務所廃業等届を提出し、法人として新規で登録申請を行う必要があります。

もし、当初から一定の受注を見込めるようでしたら、先に法人化してから建築士事務所の登録を検討してはいかがでしょうか。

法人化することで、会社の信用度はアップしますし、個人の財産と法人の資産を分けることができますので、相続や事業承継が発生した場合にも、スムーズに対応できます。

建築士事務所を法人化する場合は、以下の項目のチェックも忘れないようにしてくださいね。

  • 申請者と役員に登録拒否要件に該当する者がいない。
  • 事務所に専任の管理建築士を配置できる。
  • 事業目的に、「建築物の設計・工事監理」等の業務を行うことが掲載されている。

建築士事務所を運営する上での注意点

建築士事務所の登録をすると発生する義務の一部をご紹介します。

1.設計等の業務に関する報告

実績の有無に関係なく、設計等の業務に関する業務報告書を作成し、毎事業年度経過後3ヶ月位内に提出しなければなりません。

2.再委託の制限

委託者の許諾を得たとしても、建築士事務所の開設者以外の者に再委託することはできません。

また、延べ面積が300㎡を超える建築物の新築工事の場合は、委託者の許諾があっても、一括して他の建築士事務所に委託することはできません。

3.帳簿及び図書の保存

業務に関する帳簿及び所属する建築士が業務として作成した設計図書等を事務所に備付け、各事業年度の末日をもって閉鎖し、その翌日から15年間保存しなければなりません。

4.標識の掲示

建築士事務所の登録が完了したら、標識を事務所の公衆の見やすい場所に掲げることになっています。この標識は自作しても構いませんが、作成する際には、次の点に注意するようにしてください。

標識の規格

標識の大きさは、縦25cm以上、横40cm以上です。

標識の材質・色

公衆の見やすい場所に長期間掲げることになりますので、ある程度の耐久性のある材質で作成する必要があります。

また、色についての規定は特にありませんが、黒色の太字で表示するなど、明瞭に読み取れるようにする必要があります。

お金はかかりますが、インターネットのショップを利用する方が早く確実なものを揃えられます。

【 標識の例 】

≪注意事項≫

1.最上段には、建築士事務所登録申請書の建築士事務所名称欄に記載した名称を記入する。

2.「登録」の欄には、建築士事務所の一級建築士事務所・二級建築士事務所・木造建築士事務所の別と登録番号を記入する。

3.「開設者」の欄には、建築士事務所登録申請書の氏名欄に記載した氏名(法人の場合は名称及び代表者氏名)を記入する。

4.「管理建築士」の欄には、一級建築士、二級建築士、木造建築士の別を記入し、氏名を記入してください。

5.書類の閲覧

建築士事務所の開設者は、次の書類を事務所に備え置き、設計等を委託しようとする者の求めに応じ、閲覧させなければなりません。

なお、書類は事業年度ごとに当該事業年度経過後3ヶ月以内に作成し、事務所ごとに備え置く必要があります。

6.設計・工事監理契約の際の重要事項説明

設計受託契約又は工事監理受託契約を建築主と締結しようとするときは、あらかじめ、建築主に対し、管理建築士又は所属する建築士をして、設計受託契約又は工事監理受託契約の内容及びその履行に関する事項を記載した書面を交付して説明をさせなければなりません。

7.設計等の契約の原則

設計又は工事監理の委託を受けることを内容とする契約者の当事者間においては、対等な立場

での公正な契約締結及び誠実な履行が求められます。

8.書面による契約締結の義務

延べ面積が300㎡を超える建築物の新築に係る設計又は工事監理について、書面による契約締結が必要です。契約締結に際して、必要事項を記載した書面に署名又は記名押印して相互に交付しなければなりません。また、必要事項を変更する場合も同様に書面の相互交付が必要になります。

9.書面の交付

建築士事務所の開設者は、設計受託契約又は工事監理受託契約を締結したときは、遅滞なく、国土交通省令で定める事項を記載した書面を当該委託者に交付しなければなりません。

10.管理建築士が述べる意見の尊重義務

建築士事務所の開設者は、建築士事務所の業務にかかる技術的事項について述べられた管理建築士の意見を尊重しなければなりません

11.損害賠償保険の契約締結 

設計等の業務に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置を講ずるよう努めなければなりません。

12.報告及び立入検査への協力 

都道府県知事は、必要があると認めるときは、建築士事務所の開設者若しくは管理建築士に対し、必要な報告を求め、又は当該職員をして建築士事務所に立ち入り、図書その他の物件を検査させることができます。

建築士事務所の開設者は、報告及び検査に協力する必要があります。

建築士事務所の登録の有効期間と更新の手続き

建築士事務所の登録の有効期間は5年間です。

登録のあった日から5年目の対応する日の前日をもって満了します。

有効期間の末日が日曜・祝日などでもその日で満了してしまいますのでご注意ください。

引き続き建築士事務所の登録を更新して営業する場合は、栃木県では有効期間満了日の3ヶ月前から30日前までに更新の手続きが必要です。

当然ですが、建築士事務所の登録の更新を忘れてしまった場合、登録は失効してしまいます。

失効したまま営業を続けてしまうと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることもありますのでご注意ください。

更新の時期は、新規の登録や更新を行ってから5年後です。

かなりの時間がありますので、うっかり失念してしまう危険性がありますよね。
更新を忘れて営業ができなくなってしまった・・・」なんてことにならないためにも、覚えているうちに、スマホのスケジュールに入れておくなど、忘れないための工夫が必要になります。

建築士事務所の登録を行政書士に依頼する場合

建築士事務所の登録に必要な要件等を解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

行政書士に依頼する場合、公簿書類の収集、申請書類の作成、提出までを全て行政書士が行います。

添付書類の中には、どうしてもお客様にご用意いただかなければならないものもありますが、「○○の書類を用意してください。」というように行政書士から依頼された書類をご用意いただきますので、お客様がご自身でどんな書類が必要なのかを調べる必要はありません。

新規登録の場合、窓口に直接申請する手間がありますが、行政書士であれば代理で申請を行います。

また、登録申請に関する法改正についても、最新の情報を持っていますので、安心してお任せいただけます。

  • 登録要件に該当するか確認
  • 必要書類の収集、協会と打ち合わせ、申請書類の作成等
  • 申請書類の提出
  • 登録完了

建設業の許可の申請と合わせて、建築士事務所の登録をされるお客様も多くいらっしゃいます。

もし、建築士事務所の登録でお困りでしたら、行政書士たどころ事務所へご相談ください。 出張相談も無料で承っております。

許可申請に関するご相談はお電話・メールにて承っております。また、直接のご相談や出張相談をご希望の方も、フォームからご予約が可能です。

  • お問い合わせは24時間承っておりますが、返信に2営業日ほど頂く場合がございます。「近日中に許可が必要になった」などお急ぎの方は、可能ならお電話にてお問合せください。

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